韓国の家畜管理システム会社ライヴス・トークがカザフスタンでインターネットを必要としない独自のGPS(全地球測位システム)システムの試験運用を開始した。ネット接続が難しい山岳地帯での効果を検証する目的で、現地農家の協力を得て家畜50頭に発信機を装着する。試験期間は9月まで。
カザフスタンの投資誘致機関カザフ・インベストによると、ライヴス・トークはサムスン電子と提携して同システムを開発した。同国でのプロジェクト費用は70万ドル。
今回の試験では、運用に必要なアンテナ15基を南東部アルマトイ州のケゲンに設置した。GPS装置は送信機3基、受信機1基と家畜用の首輪から成り、300ドル以下で調達できるという。事業が本格化した際にはアルマトイで装置を現地生産する方針だ。
ライヴス・トークでは「山岳放牧地では家畜の損失が年間で最大10%に上る。カザフスタンにはこれまで、インターネットなしで使える家畜管理システムがなかった。この点、わが社の製品は、ネットに接続できない高地でも使える」と利点を強調している。
同地のクムトケン牧場を経営するモルダサノフ氏は、放牧している家畜を見つける難しさに加え、家畜の盗難が増えていることに触れたうえで、「馬2頭の値段ならシステム導入の採算が十分にとれる」と導入に積極的な姿勢を示した。同牧場では牛馬400頭、羊2,000頭を飼育している。