米フォードのロシアにおける乗用車現地生産終了を受け、同社の合弁事業フォード・ソレルスの経営権が、提携先であるソレルスに移管されることになった。小型商用車「トランジット」の生産はタタルスタン共和国エラブガ近郊のアラブガ特別経済地区に全面移管する。これに伴い、ソレルスが合弁会社への出資比率を51%に引き上げる。
アラブガ経済特区の工場では現在、新型トランジットの生産を9月に開始するため準備が進められている。また、トランジットを基盤とする特別用途車の生産能力強化も予定されている。タタルスタン共和国における小型商用車生産計画については、6月初めにフォード・ソレルスが連邦産業省と特別投資契約(SpIK)を結び、税の減免や承認手続き迅速化などの優遇措置を確保した。
フォードは今年3月、ロシア事業の大幅縮小を発表した。6月にはサンクトペテルブルク近郊のフセボロジスクおよびタタルスタン共和国ナベレズヌイエ・チェルニーにおける乗用車生産と、アラブガ経済特区におけるエンジン生産を停止した。現在はこれらの生産拠点の売却を準備している。