仏自動車大手PSAグループの独子会社オペルが16日、ロシアでの自動車販売を再開した。経営戦略「ペース!」の柱の一つである輸出拡大に向けた措置で、現地ディーラーを通じてまずはSUV「グランドランドX」とミニバン「ザフィーラ・ライフ」を販売する。順次、販売モデルを拡充していく方針だ。
オペルはディーラー11社と提携し、モスクワ、サンクトペテルブルク、スタヴロポリ、ロストフ・ナ・ドヌ、リャザン、二―ジニーノブゴロド、チュメニの7都市で、「グランドランドX」と「ザフィーラ・ライフ」を販売する。今後数年間は少なくとも毎年1モデルをロシア市場に追加投入する計画で、来年はまず、3月末までにパネルバン「ヴィヴァロ」を発売する。また、同じく数年以内に提携ディーラー数を2倍に引き上げ、その後も増加を図る。
オペルは2015年、当時の親会社、米ゼネラルモーターズ(GM)の判断でサンクトペテルブルク工場での生産を中止し、ロシア市場から完全撤退した。その2年後にPSAに買収され、今年3月、同市場再進出を予告していた。
PSAグループはオペルのほか、プジョー、シトロエン、DSオートモビルズ、ボクスホール、部品製造のフォルシア、金融サービスのバンクPSAファイナンス、カーシェアリングサービスのフリー2ムーブを傘下に収める。グループ全体で昨年は388万台を販売し、740億ユーロの売上高を計上した。