12月のユーロ圏インフレ率、1.3%に拡大

欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが7日に発表したユーロ圏の12月のインフレ率(速報値)は前年同月比1.3%となり、前月の1%を0.3ポイント上昇した。インフレ率の拡大は2カ月連続。ただ、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%をなお大きく割り込んでいる。

同月のインフレ率は6カ月ぶりの高水準。原油価格の高騰でエネルギーが前月のマイナス3.2%からプラス0.2%に転じたことが大きかった。工業製品は0.4%、サービスは1.8%の幅で上昇した。

ECBが金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は1.3%で、前月から横ばいだった。

ECBにとってインフレ率の拡大は朗報だ。中東情勢の緊迫化で原油価格の上昇が続くと見られ、追加の金融緩和を当面は見送ると目される。しかし、市場ではユーロ圏の景気減速などで物価の基調は弱く、再び縮小に転じるとの見方が出ている。

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