蘭金融大手ING、南東欧4カ国の成長予測を下方修正

オランダ金融大手INGは13日、ルーマニア、ブルガリア、セルビア、クロアチアの2020年の予想成長率を下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大が理由。来年については従来予測を維持した。

2020年の従来予測では、ルーマニアの成長率が19年の4.1%から3.6%、ブルガリアは3.1%から3%、クロアチアは2.9%から2.1%に低下し、セルビアは4.2%から4.7%に上昇するとみていた。

新予測では、ルーマニアが従来予測比1.5ポイント減の2.1%、ブルガリアが0.9ポイント減の2.1%、クロアチアが0.9ポイント減の1.2%、セルビアが0.8ポイント減の3.9%とした。

INGは以前から南東欧の景気が全体としてやや減速すると予想していた。この度のコロナウイルスの流行を受けて、「最悪の場合、景気後退の可能性もある」と見方を変えた。ただ、現時点ではそこまで見通しが悪化しているわけではなく、「運が少し味方し、賢い政治運営を行えば」経済の縮小は避けられるとみている。

INGは特にクロアチアについて、他の国を上回る打撃を受けそうだと指摘する。◇コロナウイルスの流行で需要激減が見込まれる観光業が国内総生産(GDP)の2割を担っている◇製造業の弱さ◇成長を個人消費の拡大に頼る経済構造――などがその根拠だ。

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