ロシア交通省がロシア国鉄(RZhD)と提携し、仮想(バーチャル)環境の下で鉄道自動運転ソフトの試験を実施する計画だ。実走試験の前段階として、自動運転に必要なコンピュータービジョン(センサー・画像処理の基礎となる技術)の信頼性と正確性を試す狙い。バーチャル試験環境の完成は12月半ばの予定で、開発企業は今後の入札を通じて選ばれる。
『イズベスチヤ』紙が19日付で報じたところによると、試験環境下では鉄道の状態や不測の事態をシミュレーションしたうえで、ソフトウエアの操作性を確かめる。交通省のバカノフ部長は「雪、雨、霧、朝焼け、夕焼け、突発的障害物、他の交通手段(鉄道、自動車など)との接触」といった例を挙げ、「実走試験の前に、コンピュータービジョンが運転に必要な視覚的能力を有するか確認する必要がある」と説明した。
ロシア国鉄は現在、自動運転鉄道のハードおよびソフトウエアを開発している。人工知能(AI)、マシンビジョン、安全な通信チャネル、精度の高い測位システムを搭載した遠隔操作システムを生み出す作業で、同社広報部では「主要な先端技術を同時に開発しなければならない」とその難しさを説明している。