独フォルクスワーゲン(VW)が29日から来月7日まで、スロバキアのブラチスラバ工場におけるSUV(スポーツ型多目的車)生産を停止する。半導体部品の不足が理由だ。Aセグメントに分類されるシティカーの生産は計画通り継続する。
スロバキア子会社のオリヴァー・グリューンベルク社長によると、不足している部品の大半がSUV向け。操業停止が長引かないよう全力を尽くしているが、日に日に状況が変転し、見通しを立てるのが非常に難しいという。
スロバキア子会社はこの数カ月間、グループ内で融通を図ることで半導体部品不足を切り抜けてきた。これまでのところ「生産への影響は最小限」にとどまっているが、「今後数カ月は部品供給の厳しさが続くとみなければならない」とコメントしている。
スロバキアでは3月半ば、仏PSAグループと伊フィアット・クライスラー・オートモービルズが合併して誕生した新会社ステランティスのスロバキア子会社が、国内西部のトルナヴァ工場で生産シフトを減らし生産調整を行った。同社広報によると、現在は生産に支障はないが、前日に生産量の確認が必要な状況だ。再び生産調整を余儀なくされる懸念は払しょくできないようだ。
一方、英ジャガー・ランドローバー(JLR)の現地子会社では、ニトラ工場がサプライヤーと密接な連絡を取っており、生産体制は安定しているという。