伊エネル、ロシアでのグリーン水素生産に意欲

●ルスナノと提携し、風力発電を活用

●再来年にかけ10メガワット級の電解設備2つを順次稼働

欧州電力大手の伊エネルが、ロシアにおける初のグリーン水素(再生可能エネルギーを用いて生産する水素)生産に強い関心を示している。気候変動の緩和に向けた脱炭素化の動きが活発になるなか、ロシア政府も水素生産に乗り出す姿勢を示しており、同国のプロジェクトに積極的に携わっていきたい意向だ。

シモーネ・モーリ欧州事業部長によると、国営テクノロジー企業ルスナノと提携し、北部ムルマンスク州で風力発電を活用して水素を製造する可能性を探っている。2件のパイロットプロジェクトが進行中で、いずれも10メガワット級の電解設備を来年から再来年にかけて始動させる予定だ。

グリーン水素は再可エネで水を電気分解して得る。石炭や天然ガスから取り出す従来の方法よりも環境負荷が低いのが特長だ。ロシア政府は世界の水素市場で最大20%を握ることを目指している。

エネルはスペイン、チリ、米国でグリーン水素プロジェクトを実施したい意向で、2030年までに2ギガワット以上の生産能力を整備する方針だ。ロシアでは、3火力発電所と3風力発電所を運営している。

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