●出資シェア51%を8億6,700万ルーブルで買収
●ブロックチェーン技術を活かし、デジタル融資サービスを拡充
ロシアの携帯通信大手モバイルテレシステムズ(MTS)は7月27日、トレードファイナンス(貿易金融)プラットフォームの国内最大手ファクトリン(Factorin)の出資シェア51%を8億6,700万ルーブル(約1,000万ユーロ)で買収したと発表した。ブロックチェーン(分散台帳)技術の利点を最大限生かしたサービスを提供するファクトリンを通して、事業顧客(B2B)向けのデジタル融資サービスを拡充し、事業成長と市場シェア拡大を加速させる。
ファクトリンはサプライチェーン・ファイナンスやインボイスファクタリングなどの貿易金融向けプラットフォームを開発する。システム障害に対する強さやデータの信頼性の高さといったブロックチェーンの特長を活用し、バイヤー、サプライヤー、銀行間の金融取引をデジタル化して安全に行う包括的なソリューションを提供する。
ファクトリンは2019年、国内小売業界第3位のディクシーを初顧客に貿易金融プラットフォームサービスを開始した。食品小売り最大手マグニト、MTS傘下の小売りチェーンRTCなど国内主要小売業者とそのサプライヤーを顧客に抱え、国内業界最大手に躍進した。今後はMTSと組んでロシアのB2B向けフィンテックサービスの質向上を目指す。(1RUB=1.50JPY)