ハンガリー中銀が4カ月連続で利上げ、上げ幅は小幅にとどめる

●0.25ポイント引き上げ、1.65%に設定

●国債購入額は2会合連続で減額、引き締め傾向が鮮明に

ハンガリー中央銀行は21日、政策金利を0.15ポイント引き上げ、1.65%にすると発表した。利上げは4カ月連続。市場は0.25ポイントの上げ幅を予想していた。物価の上昇が続いているものの、新型コロナのデルタ株の感染拡大による景気鈍化への懸念から小幅の利上げにとどめた。

政策金利の下限となる翌日物貸出金利は0.55%から0.7%、上限となる翌日物および7日物有担保付貸出金利は2.45%から2.6%に引き上げた。また、国債の購入額を2会合連続で減額し、週当たり500億フォリントから400億フォリント(約1億1,200万ユーロ)に減らすことも決めた。

ハンガリーの8月のインフレ率は前月を0.3ポイント上回る4.9%に拡大し、5カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。原油価格の上昇や食品価格の高騰が影響している。中銀は今後について、年内は5%超の水準で推移するが、2022年から縮小に転じて4~6月期に許容範囲内に収まり、下期には3%前後で安定するとの見方を示した。

同国では景気回復が加速しており、4~6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比で17.9%増加し、コロナ禍前の水準に戻った。足元の7~9月期も拡大傾向を示している。中銀は通年の成長率が21年は6.5~7%、22年は5~6%と予測している。

中銀は声明で、需要の急速な回復と供給不足、賃金の急激な上昇が過度な物価上昇を招いていると指摘。インフレ見通しが目標値で安定するまで利上げを継続するとしている。(1HUF=0.36JPY)

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