スマホなどの充電器、EUは「USB-C」に統一へ

●同端子はアンドロイド端末に対応、アイフォンは別規格

●端子の統一により複数の充電器を持つことが不要となる

欧州連合(EU)加盟国と欧州議会は7日、域内で販売されるスマートフォンなど携帯型電子機器の充電器の端子を「USB-C」と呼ばれるタイプに統一することで合意した。加盟国と欧州議会の最終承認を経て、2024年から実施する。

EUは廃棄物削減、消費者の利便性の観点から、電子機器充電器の端子の共通化が必要として、2009年からメーカーに業界内で自主的に規格を統一するよう働きかけてきた。その結果、携帯電話用充電ケーブルの端子の規格は30種類から「USB-B」「USB-C」「ライトニング」の3種類まで絞り込まれた。それでも、完全統一に至っていないことから、欧州委員会が規制化に踏み切ることを決め、「USB-C」に統一することを義務付ける法案を21年9月に発表していた。

対象となるのはスマホやタブレット端末、デジタルカメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機、ノートパソコンなど。ノートパソコンについては、施行から40カ月間は猶予期間とし、他の品目より16カ月遅れの26年に義務化される。

「USB-C」の端子は、米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマホなどに対応するもの。米アップルはタブレット端末「アイパッド」など一部の最新機種で同端子を採用しているが、主力のスマホ「アイフォン」では独自規格の「ライトニング」を使っており、対応を迫られる。

法案には消費者に対象電子機器を購入する際、充電器を付属品として買わない選択肢を与えることも盛り込まれた。将来的には機器と充電器の抱き合わせ販売を禁止することも視野に入れている。

端子の統一によって複数の充電器を持つことが不要となるため、EU全体で年2億5,000万ユーロ程度を節減できると試算している。充電器の廃棄も減り、電子廃棄物が年1万1,000トン程度減る見込みだ。

同規制はEU域内で販売される製品に限って適用されるが、メーカーにとってEU市場だけに合わせるのは非効率的で、法案が成立すれば世界的に標準化が進みそうだ。

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