●インフレリスクを下げるため積極的な金融引き締めを維持
●5月のインフレ率は13.9%、3カ月で5.3ポイント上昇
ポーランド中央銀行(NBP)は8日、主要政策金利である7日物レファレンス金利を0.75ポイント引き上げ、6%に設定した。利上げは9会合連続。ウクライナ戦争に起因する不確実性が高まる中、インフレリスクを下げるため積極的な金融引き締めを維持する。ロンバート金利は5.75%から6.5%に、公定歩合(再割引率)は5.3%から6.05%に、預金金利は4.75%から5.5%にそれぞれ引き上げた。
同国のインフレ率は5月に13.9%となり、前月から1.5ポイント拡大した。インフレ率の上昇は3カ月連続で、2月(8.6%)からの上げ幅の合計は5.3ポイントに上る。ロシアのウクライナ侵攻を受けた農産物とエネルギー価格の高騰に加え、旺盛な内需が供給を上回っており、企業がコストの増加を価格に転嫁していることが大きい。中銀は今後について、ウクライナ危機に伴う経済的影響が数四半期は続くものの、金利の上昇と、同影響のショックが薄れるに従い数年をかけて低下していくとの見方を示した。
中銀は声明で、長期にわたるコモディティ価格の高騰やサプライチェーンの混乱、国際物流コストの増加が戦争により増幅されていると指摘。国内と世界の経済見通しは著しい不確実性にさらされていると強調した。そのうえで、戦争が国内経済に与える影響などを踏まえ、インフレリスクを下げて物価の安定性を確保するため、為替市場への介入など利用可能な手段を取ると明言した。