●対ロ制裁に関連する二次制裁を回避する狙いか
●異動先はカザフとウズベク
通信設備大手の中国・華為技術(ファーウェイ)が、ロシア事業の従業員をカザフスタンとウズベキスタンへ異動させたもようだ。ウクライナ戦争を受けた欧米の対ロシア制裁に関連する二次制裁を回避する狙いとみられる。
ロシア経済紙『ヴェドモスチ』は5日、華為技に近い複数筋の情報として、ロシアのウクライナ侵攻後、同社が中国人およびロシア人の取締役・管理職をカザフスタンとウズベキスタンへ異動させたと報じた。調査会社テレコム・デイリーのデニス・クスコフ最高経営責任者(CEO)によると、カザフスタンのスタッフは旧ソ連圏市場のビジネス開発を担当しているという。
華為技は『ヴェドモスチ』の取材に対し、コメントを拒否した。
専門家らはこの措置が、◇欧米からの二次制裁回避◇欧州との取引維持――を狙ったものと分析する。市場調査会社インフォライン・アナリティクスのミハイル・ブルミストロフ社長は、「華為技は米国の警告サインを認識し、事業を他の独立国家共同体(CIS)諸国へ移管させている。一方で、ロシアへの製品供給は並行輸出の形で続けている」という。
華為技は4月にロシア業務の大半を停止。6月には正規販売店の閉鎖を発表した。その後、同社製スマホの交換部品不足が報じられた。
7月にはロシアにおけるフリーランス従業員との契約のうち半分を解除した。従業員の大多数が自宅待機扱いで、求人も停止された。