●施設面積は85ヘクタール、年間積み替え能力は100万TEU
●ウクライナ国境に近く、農産物輸送の効率向上が期待される
ウクライナ国境に近いハンガリーのフェーニェシュリトケで18日、欧州最大級の陸上複合輸送施設「イースト・ウェスト・ゲート(EWG)」が正式に開所した。民間からの400億フォリント(約9,700万ユーロ)を超える投資で実現したもので、鉄道やトラック・セミトレーラーのコンテナ積み替えを手がける。従業員数は約100人で、来年半ばの増員が予定されている。間接雇用で500人の雇用創出が見込まれる。
フェーニェシュリトケは広軌・標準軌鉄道路線の交わる地点に位置し、1990年まで貨物輸送の要衝だった。今回の物流基地整備で、再び物流業界における重要性が高まると期待される。
EWGは、トラスティ・ビジネスマネジメントとクリーノヴァティーヴ・エネルゲティコイ・フェイレステー(Greennovativ Energetikai Fejleszto)の国内2社の合弁会社、イースト・ウェスト・インターモダール・ロジスティクスが運営する。施設面積は85ヘクタールで、1万5,000平方メートルの倉庫を擁する。年間積み替え能力は100万TEU(20フィートコンテナ換算単位)。ウクライナ戦争で必要性の高まる農産物輸送では、来月から1時間当たり穀物800トン、ひまわり油450立方メートルを積み替えられるようになる。
欧州防爆基準(ATEX)、欧州危険物道路輸送協約(ADR)に基づく認定を取得しており、ガスコンテナや危険物コンテナ(化学薬品など)も取り扱える。デジタル化を見越し、専用のプライベート5Gネットワークを構築したほか、国内のスタートアップ企業マックスウェア(MaxWhere)と提携し、デジタルツインも導入済みだ。(1HUF=0.35JPY)