チェコ中銀が3会合連続で据え置き、物価安定に向け高金利を維持

●政策金利を7%に据え置き

●「コルナの過度の変動を防ぐ」ため、市場介入も継続

チェコ中央銀行(CNB)は3日、主要政策金利である14日物レポ金利を7%に据え置くことを決めた。据え置きは3会合連続。インフレ率が高い水準で推移しており、物価の安定に向けて高金利を維持する。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ8%、6%に据え置いた。

同国の9月のインフレ率は前月から0.8ポイント増の18%に拡大した。ガスと電気料金の値上がりが要因で、ウクライナ戦争が勃発した今年2月からの上げ幅の合計は6.9ポイントに上る。CNBは年末までに約20%に達するものの、2024年の春ごろには2%台まで下がるとみる。今年のインフレ率については夏期予測の16.5%から15.8%に引き下げた。

現在のインフレの状況に関しては、上振れリスクとして予想以上の賃金上昇と輸入品価格の高騰、財政政策の緩和が、下振れリスクとして世界的な景気後退や国内需要と投資の強い落ち込み、エネルギー価格の上限制度の導入があると指摘。相反するリスクの両方向に進んでおり、世界情勢の見通しも不確実性が高いことから金利据え置きを決めたと説明した。

CNBは声明で、同国経済は外部環境からの強いインフレ圧力と、国内の需要圧力の両方に直面しているとしたうえで、これらの圧力を弱めるために金利を高い水準で維持する方針を繰り返した。同時に「コルナの過度の変動を防ぎ続ける」とし、これまで同様に市場介入を行う姿勢を改めて示した。次回の会合では据え置きか利上げかを決定するとしている。

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