●「モスクビッチ3」は中国江淮のコンパクトSUV「S4」がベース
●ガソリン車に続き、年内に電動モデルも生産導入する計画
ロシアが国産自動車ブランド「モスクビッチ(Moskvitch)」の生産を再開した。現地通信社インターファクスによると、新型「モスクビッチ3」は中国自動車メーカー、江淮(JAC)のコンパクトSUV「S4」をベースにしたもので、出力150PSのガソリンエンジンモデルに続き、年内に電動モデルも生産導入する計画という。2023年1~3月期の販売開始を見込む。
ロシア自動車業界は、ウクライナ軍事侵攻後の対露経済制裁の流れで外国自動車メーカーの事業撤退が相次ぎ、今年1~10月の新車販売台数は前年同期比で60%も落ち込んだ。政府は外資撤退後の業界を立て直すため、国内自動車最大手アフトワズの乗用車ブランド「ラーダ」に加え、「モスクビッチ」を再導入することを決めた。同ブランドは1947年にソ連体制下の国産車として生産開始したが、ソ連崩壊後、競争力がなく2001年に生産停止となった。
「モスクビッチ」の生産拠点となるアフトワズは5月、筆頭株主のルノーが出資シェア68%を国営企業に売却したことにより、完全国営会社になった。産業省によると、同工場はこれまで操業を停止していたが、「モスクビッチ」の生産開始により約4万人の雇用を確保できるもようだ。