ヤンゴンに原子力技術センターを設置、ロシアとミャンマーが合意

●両国は国外からの圧力が高まる中、関係を緊密化

●原子力提携のほか、来年の両国間直行便の運航開始でも合意

ロシアと軍政ミャンマーの原子力提携が具体化に動き出した。ミャンマーのミョ・テイン・チョ科学技術相は18日、サンクトペテルブルクの原子力技術センターを訪問し、ヤンゴンに同様の技術センターを開設することでロシア原子力公社(ロスアトム)と契約を交わした。両国による9月の提携合意で示されたガイドラインを踏まえたものだ。

9月の合意についてロスアトムは当時、「『原子力の平和利用』に向けた2022~23年の両国提携のガイドラインとなる」と説明。協力項目として、(1)二国間の法的枠組みの拡大(2)ミャンマーにおける小型モジュール炉(SMR)導入(3)教育訓練(4)原子力活用に対する地元合意の形成――を挙げていた。今回の技術センター設置は(4)を視野に入れたものだ。

2月のウクライナ侵攻以来、孤立を深めるロシアと、昨年2月にクーデターで政権を握ったミャンマー軍は、国外からの圧力が高まる中で両国間の関係を緊密化させている。今回は軍事政権を指揮するミン・アウン・フライン総司令官が代表団を率いてロシアを訪問し、原子力提携のほか、来年の両国間直行便の運航開始でも合意が結ばれた。

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