●「ポートアーサーLNG」から年100万トンを20年間に渡り購入
●オルレンの米国産LNGの調達契約総量は年間約800万トンに拡大
ポーランド石油最大手PKNオルレンは1月25日、米エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャーと液化天然ガス(LNG)の長期調達契約を結んだと発表した。センプラがテキサス州のメキシコ湾岸で手掛ける「ポートアーサーLNG」プロジェクトを通じ、20年間に渡り購入する。これにより同国を含む中東欧地域のエネルギー安全保障が高まると期待される。年間の供給量は100万トンで、ポーランド国内需要の約10%にあたる。
ポートアーサーLNGはテキサス州南東部ポートアーサーで進むLNG生産・輸出ターミナル開発事業。第1期には最大で年間約1,350万トンのLNG生産が見込まれている。2027年から出荷を開始する予定。
今回の契約により、PKNオルレンが米国から調達するLNGの総量は年間約800万トンに拡大した。輸送能力確保のため、2025年までにLNG運搬船を8隻保有する計画だ。
同社はバルト海沿岸シフィノウイシチェのLNGターミナルと、リトアニアのクライペダにある浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)の2カ所で再ガス化を行っている。グダニスクの拠点では国内2つめのLNGターミナルを2028年に開設の予定。昨年はウクライナ戦争に端を発したエネルギー危機に対応するため、シフィノウイシチェへのLNG輸入量を前年比で約60%増やした。