2010/2/1

総合 –EUウオッチャー

EUとIMF、ルーマニアへの金融支援再開へ

この記事の要約

EUと国際通貨基金(IMF)は1月27日、凍結していたルーマニアへの金融支援を再開する意向を表明した。EUとIMFは昨年2月、金融危機に見舞われた同国に対して、世界銀行、欧州復興開発銀行(EBRD)と共同で総額200億ユ […]

EUと国際通貨基金(IMF)は1月27日、凍結していたルーマニアへの金融支援を再開する意向を表明した。EUとIMFは昨年2月、金融危機に見舞われた同国に対して、世界銀行、欧州復興開発銀行(EBRD)と共同で総額200億ユーロの金融支援を決め、すでに一部を実施したが、支援の条件となっていた財政改善が政局の混乱で棚上げとなったため、11月から凍結していた。

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総額200億ユーロの金融支援のうち、IMFが約130億ユーロ、EUが50億ユーロを負担する。これまでにIMFは65億ユーロ、EUは15億ユーロを実施済み。残りのうちIMFは23億ユーロを2月中に、EUは10億ユーロを3月に支払う見込みだ。

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金融支援はルーマニア政府が財政赤字を2011年までに国内総生産(GDP)比3%以内に抑えることなどが条件。しかし、ルーマニアで10月に連立内閣が崩壊し、2010年予算編成の見通しが立たなくなったことから、凍結されていた。

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凍結解除に動いたのは、バセスク大統領が12月に再選されて政局の混乱に終止符を打ち、1月14日に議会が予算案を承認したため。EUとIMFは20日から視察団を送り込んで予算案などを検証した結果、緊縮予算により財政赤字削減が予定通り進み、財政改善が軌道に乗ったと認定。支援再開の条件が整ったと判断した。

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