2010/2/8

総合 –EUウオッチャー

ギリシャ財政再建計画を承認、実行状況は厳しくチェック=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は3日、財政危機に陥っているギリシャの財政再建策を基本的に承認した。また、財政赤字削減が計画通りに進むかどうかを厳しく監視し、定期的に実行状況を報告させることを決めた。ユーロ圏で同措置が適用されるのは初めて。ギ […]

欧州委員会は3日、財政危機に陥っているギリシャの財政再建策を基本的に承認した。また、財政赤字削減が計画通りに進むかどうかを厳しく監視し、定期的に実行状況を報告させることを決めた。ユーロ圏で同措置が適用されるのは初めて。ギリシャの信用不安はユーロの信用に関わる問題だけに、異例の厳しい姿勢で財政再建を促す。

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EUは財政規律により、加盟国に財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以下に抑えることを義務付けている。ギリシャの2009年の赤字は、上限を大幅に超えるGDP比12.7%に達したため、欧州委は同国に赤字是正策をまとめるよう求めていた。

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ギリシャが1月中旬にまとめた財政再建策は、2010年の赤字をGDP比8.7%まで削減するなど段階的に赤字を縮小させ、2012年には上限内のGDP比2.8%に抑えることを目指すもの。具体策として、防衛、医療費の削減や公務員の人件費削減、脱税対策強化、たばこ・酒類の増税などが盛り込まれている。さらに政府は2日、追加策として、全公務員の昇給凍結、ガソリン税引き上げなどを打ち出した。

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欧州委は同再建策を承認したが、その実施を徹底させるため、計画の進行状況を定期的に報告させ、不十分と判断すれば追加措置を講じるよう指示する。第1回の報告は3月中旬。その後も3カ月ごとにチェックする。

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欧州委が財政再建策を承認したことを市場は当初歓迎し、ユーロ圏の指標であるドイツ国債とギリシャ国債の利回り格差は同日、一時は縮小に向かった。しかし、厳しい財政赤字削減に民間、公務員の労組が反発し、ストライキに打って出る構えをみせていることから、計画実行を疑問視する動きが広まり、利回り格差は再び拡大した。

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