2010/9/20

産業・貿易

中国製繊維ガラスに反ダンピング関税、中国製モデムでは調査を開始

この記事の要約

EUが中国製品のダンピング問題で強硬姿勢を強めている。欧州委員会は16日、中国製の繊維ガラスに対して、反ダンピング措置として43.6%の関税を課すことを決めた。暫定的に6カ月間としているが、その後に5年間の本格的な措置に […]

EUが中国製品のダンピング問題で強硬姿勢を強めている。欧州委員会は16日、中国製の繊維ガラスに対して、反ダンピング措置として43.6%の関税を課すことを決めた。暫定的に6カ月間としているが、その後に5年間の本格的な措置に移行するか検討する。

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今回の措置は欧州の生産者が苦情を申し立てたもので、中国の輸出業者による極端な価格引き下げでEU内の業者にとっては上昇する生産コストも賄えない水準となり、雇用が脅かされているという。繊維ガラスは風力発電機のブレードや車、船舶などの材料として使われているが、デンマークの風力発電機大手ベスタスなどは反ダンピング関税により供給不足に陥り、ガラス繊維を使っている多くの企業にとってコスト上昇につながるとして反対している。

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また、欧州委員会は16日、中国製のワイヤレスモデムについても不当な公的補助を受けている疑いがあるとして調査を開始したと明らかにした。すでに同製品に対しては6月に反ダンピングの調査とセーフガード措置の発動に向けた調査にも着手している。3件の調査は、いずれもEUで唯一ワイヤレスモデムを手がけるベルギーのオプションが苦情を申し立てたもの。今回の調査では9カ月以内に暫定措置の導入について結論を下し、その後で5年間の反ダンピング関税を課すか決めることになる。なお、中国の通商当局はEUが保護貿易主義を強めているとして懸念を表明している。

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