2011/1/3

総合 –EUウオッチャー

ルーマニア・ブルガリアのシェンゲン協定参加、独仏の反対で先送り確実に

この記事の要約

ドイツ内務省の報道官は12月21日、同国とフランスがルーマニア、ブルガリアの「シェンゲン協定」早期参加を阻止する意向を表明した。ルーマニアとブルガリアは2011年3月のシェンゲン協定参加を目指しており、EUはその可否を1 […]

ドイツ内務省の報道官は12月21日、同国とフランスがルーマニア、ブルガリアの「シェンゲン協定」早期参加を阻止する意向を表明した。ルーマニアとブルガリアは2011年3月のシェンゲン協定参加を目指しており、EUはその可否を1月に判断することになっているが、参加決定にはEU全加盟国の賛同が必要。独仏の反対により協定参加の先送りが確実な情勢となってきた。

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シェンゲン協定は、参加国が互いに出入国審査を廃止し、旅行者が国境でパスポートを提示することなく移動できるようにする取り決め。EUの中東欧諸国ではブルガリア、ルーマニアを除く8カ国が2007年12月に参加を果たした。

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シェンゲン協定参加には、域外の旧ソ連邦諸国などから中東欧を経由して西欧に不法移民や犯罪者が流入するのを防ぐため、各国が域外との国境管理で十分な態勢を敷くことなどが条件となっている。

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独内務省の報道官によると、同国とフランスの内相は欧州委員会のマルムストロム委員(内務担当)に連盟で書簡を送り、ルーマニアとブルガリアの汚職・組織犯罪対策に不備があることを理由に、シェンゲン協定参加に「時期尚早」として反対する意向を伝えたという。

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ルーマニアのバセスク大統領は同日、記者団に対して、独仏の動きを「差別的だ」と述べ、不快感を表明した。

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