EU加盟国は先ごろ開いた保健・消費者問題担当相理事会で、域内で販売される食品・飲料にカロリーや主な栄養成分の表示を義務付ける法案について合意した。欧州議会が可決した案を大筋で踏襲したが、一部で修正を加えており、法案は再調整が必要となる。
\食品表示に関する新ルールは、食品や飲料を選ぶ際に目安となる重要な情報を分かりやすい形で提供し、EU市民の健康的な食生活を促進して肥満の蔓延に歯止めをかけるのが狙い。
\理事会で合意した法案は、ビール、ワイン、蒸留酒を除くすべての食品と飲料について、メーカーに対して100ミリリットルあるいは100グラム当たりのカロリー、脂肪、飽和脂肪、炭水化物、糖質、塩分、タンパク質などの含有量をパッケージに明記することを義務付けることを軸とする内容。食品の原産国表示に関しては、すでに表示が義務化されている牛肉に加え、豚肉、家禽肉などすべての食肉に義務付ける。新規制の対象外となるアルコール飲料については、新ルール発効から5年以内に適用除外の是非を検証し、必要に応じて新たに適用対象とする。
\欧州議会が2010年6月に可決した法案では、成分表示はすべてパッケージの表側に明記することになっていた。これに加盟国側は手を加え、表示は裏側でもよく、一部については表側に繰り返し表示できるとする方向に修正した。また原産国表示では、対象に含まれていた乳製品が外され、発効から3年以内に乳製品など他の食品にも適用対象を広げるかどうかを検証するという形に修正された。このため同法案は欧州議会に差し戻し、再び審議されることになる。
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