2011/2/21

産業・貿易

欧州議会が対韓FTAを批准、今年7月に発効へ

この記事の要約

欧州議会は17日の本会議で、EUと韓国の自由貿易協定(FTA)を賛成465、反対128、棄権19で承認した。これでEUの批准手続きは終了し、韓国側の議会の批准手続きを待って7月1日に発効することになった。\ FTAは昨年 […]

欧州議会は17日の本会議で、EUと韓国の自由貿易協定(FTA)を賛成465、反対128、棄権19で承認した。これでEUの批准手続きは終了し、韓国側の議会の批准手続きを待って7月1日に発効することになった。

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FTAは昨年10月に正式署名したもの。発効から5年間で約98%の関税が撤廃され、工業製品や農産物、サービスに対するその他の通商障壁も取り除かれる。自動車なら欧州製自動車の韓国への輸出では現行8%の関税が取り除かれ、韓国市場向けの試験も不要となり、将来的な障壁を回避するための作業部会も設けられる。家電製品でも二重に試験・認証手続きをする必要がなくなる。

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このFTAにはセーフガード(緊急輸入制限措置)条項も盛り込まれた。これは関税引き下げにより韓国からの輸入が急増してEU製品に重大な損害を与える脅威がある場合に、関税を一段と引き下げることを停止するか、関税を以前の水準に引き上げることができる措置で、欧州議会はこれを定めた規則を賛成495、反対16、棄権75で採択した。規則では欧州議会が欧州委員会に対してセーフガード条項の発動に向けた調査を要請する権利が盛り込まれ、自動車産業など条項の対象となる製品の定義も明示された。

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欧州委のデフフト委員(通商担当)は、FTAの批准を歓迎するとともに「アジアでの新たな機会を追求する決意を明確に示すものになる」と語っている。

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