2011/2/21

欧州ビジネスウオッチ

ギリシャ1・3位銀行の合併浮上、ナショナル銀がアルファ銀に提案

この記事の要約

ギリシャ最大手銀行のギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は18日、同3位のアルファ銀行に合併を提案したと発表した。NBGがアルファ銀を事実上買収する形での合併となる。これに対してアルファ銀は拒否を表明している。\ NBGに […]

ギリシャ最大手銀行のギリシャ・ナショナル銀行(NBG)は18日、同3位のアルファ銀行に合併を提案したと発表した。NBGがアルファ銀を事実上買収する形での合併となる。これに対してアルファ銀は拒否を表明している。

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NBGによると、合併提案はアルファ銀株11株をNBGの新株8株と交換するという内容。合併後の出資比率はNBG71%、アルファ銀29%となる。NBGが約28億ユーロでアルファ銀を買収する格好で、新銀行の最高経営責任者(CEO)ポストはNBGが握る。

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ギリシャは債務危機に直面しており、金融システムの弱体化が深刻化している。銀行の資金繰りは苦しく、欧州中央銀行(ECB)による資金供給に頼っている状況だ。NBGの合併提案は、銀行の統合による体質強化を促す政府の意向に沿ったもの。

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NBGによると、合併で誕生する新銀行の中核的な自己資本比率(ティア1)は10.7%となり、財務改善により金融市場での資金調達が可能となる見込み。ラパノス会長は「両行の合併がギリシャ経済の回復に寄与する」と述べ、合併実現に意欲をみせている。

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これに対してアルファ銀は同日の取締役会で、全会一致で提案拒否を決定した。株式交換比率への不満が理由。ただ、今後の協議には応じるとしている。

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