2011/8/29

産業・貿易

欧米当局がボーイング「787」正式認可、来月ANAに1号機引き渡し

この記事の要約

米航空機大手ボーイングは26日、米連邦航空局(FAA)と欧州航空安全局(EASA)から同社の新型旅客機「787(ドリームライナー)」の商業飛行が正式に認可されたと発表した。9月25日に1号機が全日本空輸(ANA)に引き渡 […]

米航空機大手ボーイングは26日、米連邦航空局(FAA)と欧州航空安全局(EASA)から同社の新型旅客機「787(ドリームライナー)」の商業飛行が正式に認可されたと発表した。9月25日に1号機が全日本空輸(ANA)に引き渡され、28日に羽田空港に到着する予定。ボーイングは当初、2008年5月の納入を目指していたが、技術的な問題などで計画が大幅に遅れていた。

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ドリームライナーはボーイングが04年4月に開発を開始した最新鋭の中型機。カーボンファイバーを主体にした複合材をボディや主翼に採用することで機体の軽量化を図り、従来機に比べて燃費効率の20%向上を実現した。ボーイングは7月末時点で世界の航空会社から合わせて827機を受注しており、このうちANAは最も多い55機を発注している。

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ボーイングの声明によると、同社はFAAとEASAからドリームライナーが安全性などの基準を満たしていることを示す「型式証明」を取得した。ボーイング民間航空機部門のオルボー社長は「ドリームライナーは航空業界の夢と希望を体現するまったく新しいタイプの機体だ。欧米航空当局から認可を得たことでようやく夢が実現する」と強調。また、ラフード米運輸長官は「ドリームライナーは驚くべき技術的成果を収め、イノベーションの新たな基準を打ち立てた」とコメントしている。

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燃費効率の大幅な向上により、これまで大型機でしか運航できなかった長距離路線も200-300人乗りのドリームライナーで効率的に運航できるようになり、厳しい経営環境に置かれている航空会社にとって同機種は大きな魅力といえる。ただ、相次ぐトラブルで納入時期が当初の計画から3年余り遅れ、この間に複数の航空会社がボーイングとの契約を解除する事態を招いている。

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