2012/1/16

競争法

ハンガリー国営航空への公的支援は不当、欧州委が資金回収を命令

この記事の要約

欧州委員会は9日、ハンガリー政府による国営マレブ・ハンガリー航空に対する金融支援がEU競争法に違反しているとして、供与した資金の回収を命じたと発表した。長期的な存続のめどが立ってない同社に、市場原理を無視した好条件で金融 […]

欧州委員会は9日、ハンガリー政府による国営マレブ・ハンガリー航空に対する金融支援がEU競争法に違反しているとして、供与した資金の回収を命じたと発表した。長期的な存続のめどが立ってない同社に、市場原理を無視した好条件で金融支援を行ったとしている。

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マレブ・ハンガリー航空は、2007年に民営化されたが、経営難により2010年に再国有化された。欧州委が問題視したのは、民営化および再国有化に際して実施された金融支援。欧州委は2010年12月、同支援が不当な補助金に当たる疑いがあるとして、調査を開始していた。

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EUでは加盟国による企業の救済、補助金提供に関して、対象企業の長期的再建につながらないものを禁止するなど厳しく制限している。欧州委は調査の結果、政府は同社が長期的に存続可能かどうか不透明であるにもかかわらず支援を継続し、しかも民間融資ではあり得ない有利な条件で資金を提供したと判断。これが競争法に抵触する不当な補助金支給に当たるとして、回収を命じた。

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