2013/7/22

総合 –EUウオッチャー

ポルトガル政局が再び混迷化、3党の“救国”協議が決裂

この記事の要約

債務危機に直面するポルトガルの政局が再び混迷化してきた。連立政権を組む社会民主党、民衆党と最大野党の社会党は、カバコシルバ大統領の意向に従って、財政再建策をめぐる緊急協定締結を目指して協議を行ってきたが、19日に決裂。債 […]

債務危機に直面するポルトガルの政局が再び混迷化してきた。連立政権を組む社会民主党、民衆党と最大野党の社会党は、カバコシルバ大統領の意向に従って、財政再建策をめぐる緊急協定締結を目指して協議を行ってきたが、19日に決裂。債務危機脱却に向けた挙国一致体制確立の望みが遠のいた。これを受けて大統領が解散総選挙に踏み切るかどうかに注目が集まっている。

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同国では今月初め、EUと国際通貨基金(IMF)による総額780億ユーロの金融支援の条件となっている財政再建をめぐる与党の内紛で、重要2閣僚が辞意を表明したことをきっかけに、連立政権崩壊の危機が浮上。コエリョ首相は内閣改造によって民衆党の離脱を食い止め、一時は事態が収束したかに見えた。ところが、カバコシルバ大統領は、綱渡りの政権運営が続くことで財政再建が不透明となることへの危機感から内閣改造を拒否。両党と社会党に対して、協調して財政再建を進めるための「救国協定」を結び、挙国一致で難局を乗り切るよう求めていた。

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これを受けて3党は14日から協議を開始した。しかし、厳しい緊縮策が景気・雇用を圧迫し、財政再建を一層困難にしているとして緊縮策の見直しを求める社会党と連立2党の溝が埋まらず、19日に物別れに終わった。

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この事態の収拾はカバコシルバ大統領に委ねられる。社会党は解散総選挙を求めているが、政治の空白化で財政再建が宙に浮くことになり、大統領は難しい判断を迫られている。

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