2013/12/16

欧州ビジネスウオッチ

スペインの巨大カジノ建設計画がご破算に、米社が撤回表明

この記事の要約

カジノ運営大手の米ラスベガス・サンズは13日、スペインに巨大カジノを開設する計画を撤回すると発表した。税控除などをめぐる要求が政府に受け入れられなかったことが理由とされる。投資総額300億ドルの同プロジェクトが景気、雇用 […]

カジノ運営大手の米ラスベガス・サンズは13日、スペインに巨大カジノを開設する計画を撤回すると発表した。税控除などをめぐる要求が政府に受け入れられなかったことが理由とされる。投資総額300億ドルの同プロジェクトが景気、雇用を大きく押し上げると期待していたスペイン政府にとって、大きな打撃となる。

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ラスベガス・サンズが2月に発表した計画は、マドリード近郊のアルコルコンに4つのカジノと12軒のホテル、劇場、ゴルフ場などからなる欧州最大の総合カジノリゾート「ユーロベガス」を10~15年をかけて建設するという内容。最大26万人の雇用創出効果が見込まれるとしていた。

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同社は声明で、計画撤回について「事業を進めるために必要な基準が満たされなかった」と説明。今後はアジア事業に重点を置く方針を打ち出した。現地でのメディアは、同社はスペイン政府に対して将来にわたる税控除と、公共施設での禁煙を義務付ける法律の適用除外などを求めたが、政府が国内法やEUのルールに反するとして応じなかったことが理由と報じている。

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景気停滞の長期化で失業率が26%を超える同国の政府は、2020年夏季オリンピックと同カジノの招致による景気・雇用の改善を目指していたが、どちらも実現に至らなかった。

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