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2012/8/1

コーヒーブレイク

パンクバンドに支援の輪~ロシア

この記事の要約

プーチン大統領とロシア正教の支配を批判して拘留されている女性パンクバンド「プッシー・ライオット」のメンバー3人に、国際ミュージック界の大物が支援の声をあげている。プッシー・ライオットは3月の大統領選挙の直前に、ロシア人の […]

プーチン大統領とロシア正教の支配を批判して拘留されている女性パンクバンド「プッシー・ライオット」のメンバー3人に、国際ミュージック界の大物が支援の声をあげている。プッシー・ライオットは3月の大統領選挙の直前に、ロシア人の信仰の対象である救世主ハリストス大聖堂へ覆面で乱入し、プーチン支配の終焉を聖母に祈る楽曲を演奏した。これが「教会で踊ることを禁じた」7世紀の教会会議の決議に違反したかどでメンバーのうちトロコンニコヴァさん、アリョーヒナさん、サムツェヴィッチさんの3人が逮捕され、訴追の手続きが進められている。

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米国の人気バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのボーカル、アンソニー・キーディスさんは先月のサンクト・ペテルブルグとモスクワのコンサート舞台で「プッシー・ライオット」の文字が入ったTシャツを着て公演。ベーシストのマイケル“フリー”バルザリーさんとともにプッシー・ライオットのメンバーに応援の手紙をしたためた。

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英国のバンド、フランツ・フェルディナンドは21日のモスクワ公演でプッシー・ライオットのために1曲歌った。フロントマンのアレックス・カプラノスさんはツイッターで「みんな、プッシー・ライオットの音楽は支持していなくても、彼女たちの発言の自由の権利は支持しているだろう。ビートルズとジョン・レノンのファンだと言いながら政治的なアーチストを刑務所に閉じ込めるような国家元首は、最もたちが悪くて危ないペテン師だ」とつぶやいた。

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米国のフェイス・ノー・モアのマイク・パットンさんはモスクワ公演で前座に「プッシー・ライオット」の採用を希望。今のところ自由の身の2人のメンバーが、逮捕のきっかけとなった歌を披露した。

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ロシア国内でも数多くのアーチストが支援を表明している。映画監督のオルガ・ダルフィさんはモスクワ映画祭でプッシー・ライオットのメンバーをまねた覆面姿で入場して支援の姿勢を明らかにした。後に「教会で踊るのがいいとは思わないけれど、それが理由で刑務所入りはおかしい。中世の魔女狩りみたいだ」とコメントしている。他にもおよそ100人のアーチストがプッシー・ライオットを支援する公開書簡に署名している。

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検察当局はバカンスシーズンの夏の間に裁判を迅速に進め、社会の関心が高まる前に判決にこぎつけたい意向だ。(東欧経済ニュース2月29日号「プーチン再選への反対活動激化、数キロメートルの『人間の鎖』」を参照)

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