汚職を監視する国際的な非政府組織(NGO)のトランスペアレンシー・インターナショナル(TI:本部ベルリン)は10月26日、2010年版の腐敗認知指数報告書を発表した。これによると、ロシアの腐敗認知指数は154位で、主要20カ国・地域(G20)の中で最も汚職度が高い国となった。154位でロシアと並んだ汚職大国はタジキスタンとケニア。G20の中ではインドネシアが110位で、ロシアに次いで腐敗指数が高かった。
\2010年上半期のロシアの汚職件数は5,708件となり、前年同期の5,633件から増加(ロシア検察庁のユーリー・チャイカ検事総長)。国家汚職防止委員会のキリル・カバノフ委員長によれば、ロシアにおける汚職経済の規模は年間3兆ドルにも上り、国内総生産(GDP)の4分の1近くに達している。メドベージェフ大統領は2008年の就任時に国内にはびこる汚職と闘うことを誓ったが、法整備の遅れなどから、誓いが果たされる見通しは全く立っていない。
\TIは毎年、世界178カ国を対象に、政治家や公務員による汚職の少なさを示す「腐敗認知指数(CPI)」を、様々な調査を基に算出している。今回、汚職が少ない国のトップ3に選ばれたのはデンマーク、ニュージーランド、シンガポール。フィンランドとスウェーデンがこれに続いた。ちなみに日本は17位だった。
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