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2011/4/13

コーヒーブレイク

出稼ぎ効果で経済成長~ポーランド

この記事の要約

ドイツでの就労が来月から解禁され、同国で働くポーランド人の数が、現在の30万人から80万人に増加すると見込まれている。しかし、生活拠点は引き続きポーランドに置き、移住はしないという人が大多数で、「ドイツで稼いでポーランド […]

ドイツでの就労が来月から解禁され、同国で働くポーランド人の数が、現在の30万人から80万人に増加すると見込まれている。しかし、生活拠点は引き続きポーランドに置き、移住はしないという人が大多数で、「ドイツで稼いでポーランドで使う」という構図となりそうだ。このため、国内消費が拡大してポーランドの経済と税収にプラスの効果があると見込まれている。

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昨年はポーランド人による国外からの送金額が42億ユーロに上った。ポーランド人を対象とした欧州連合(EU)における就労規制が5月から完全撤廃されるため、今年は07年の過去最高記録(52億ユーロ)を更新するとの観測もある。ドイツからの送金額は昨年の11億5,000万ユーロを7~8億ユーロ上回る可能性が指摘されている。

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一方で、従業員の流出を危惧する中小企業は61%に上る。引き留めには賃上げが必要になるが、これが企業利益を圧迫し、さらにはインフレ圧力を高めるとの懸念も出ている。

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EU加盟条約では、以前からの加盟国(旧加盟国)が新規加盟国に対して最長7年間、就労規制を設けることが認められた。ドイツとオーストリアは市場開放に警戒的で、ポーランドなど04年5月の新規加盟国について7年の期限が切れる今月末まで就労を制限している。また、2007年に加盟したルーマニアとブルガリアについては昨年、2013年まで規制措置を延長した。

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