欧州サッカー選手権(ユーロ2012)のリーグ戦で12日、ポーランドが宿敵ロシアと対戦した。試合は1対1の引き分けとなったが、開催地のワルシャワでは両国のフーリガンが試合の最中に「場外乱闘」を繰り広げ、少なくとも138人の逮捕者が出る騒ぎとなった。けがをした人も多く、15人が病院で手当てを受けた。
\因縁の対決を前に、ワルシャワでは両国のファンらが衝突するのではとの懸念が高まっていた。
\第二次世界大戦とソ連による占領など歴史的な理由から両国の外交関係は常に難しさをはらんでいるが、2年前の大統領機墜落事故をきっかけに、その緊張度が増している。この事故は2010年4月10日にロシア西部のスモレンスク付近でレフ・カチンスキー大統領(当時)など政府高官ら95人を乗せた公用機が墜落したもの。大統領は戦時中にポーランドの知識層2万人超がロシアに殺された「カチンの森虐殺事件」の70周年追悼式典に出席するため、スモレンスクに向かう途中だった。
\ポーランドの事故調査委員会も原因を操縦士のミスと結論付けており、ロシアが意図的に大統領機を墜落させたとする陰謀説を信じる人は少ないが、事故後のロシアの姿勢を不愉快に思う人は多い。具体的には、ロシアで行われた司法解剖にミスがあったり、いまだに事故機の残骸がポーランドに引き渡されていないことなどがしこりとなっている。
\大統領機墜落事件の犠牲者を悼む集会は今でも毎月10日の月命日にワルシャワの大統領官邸前広場で行われている。
\ロシアサッカー連盟のフルセンコ会長は10日、ワルシャワの大統領官邸前にある墜落事故犠牲者の記念碑に薄紅のバラで編まれた花輪をささげ、黙祷した。追悼集会が横で行われていたが、護衛や記者に囲まれ、集会参加者とは言葉を交わさなかったという。
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