福島原発事故の行方が注目を浴びる中、ポーランドの薬局にはヨウ素剤を求める客が殺到し、19日の時点で完売となるところが相次いだ。当局は、日本は地理的に遠く、影響はないと状況の沈静化に努めている。しかし、25年前に隣国ウクライナで起こったチェルノブイリ原発事故の記憶が色濃く残る同国では、念のためにと購入する人が後を絶たないようだ。
\ワルシャワのある薬局は現地テレビ局の取材に対し、このところヨウ素溶液やヨウ素剤がたくさん売れ、すでに品切れになっていると話している。ロイター通信によると、最も売れているのはヨウ素溶液「ルゴール」。チェルノブイリ事故の際、ポーランド政府が国民に配布した製品で、消費者は当時の記憶から予防目的で同製品を購入しているという。
\専門家は国民に対し、現時点ではヨウ素剤の必要がないことを指摘し、用法によっては重篤（とく）な副作用があるとして注意を呼びかけている。医師会は「ヨウ素剤が必要な状況になれば、その事実を発表し、すべての国民にヨウ素剤を配布する」と説明。服用方法は医師の指示に従うよう呼びかけた。
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