ユーロ2012の政治的ボイコット~ウクライナ
\ポーランド・ウクライナ共催によるサッカー欧州選手権(ユーロ2012)開幕まで3週間を切ったが、欧州の政治家がウクライナへ観戦に出かけるかどうかは直前になるまではっきりしないようだ。ティモシェンコ前首相の有罪判決にみられるような政治的弾圧に対する批判が高まっていることが背景にある。
\すでに、ウクライナで行われる試合に政治家を送らないことを決定したのは、欧州委員会を除くとオーストリア政府のみ。ただ、オーストリアは、代表チームが予選で敗退し、出場しないということが判断を容易にしたのかもしれない。
\ウクライナのヤヌコビッチ大統領は欧州政治家の動向をについて、「観戦に来るか来ないかは個人の判断」とコメント。ティモシェンコ前首相の病気はウクライナも憂慮しているとする一方で、前首相の処遇をめぐって「侮辱」を受けるとしたら、断固として立ち向かうとけん制した。
\欧州連合(EU)は昨年12月、ウクライナのEU加盟の前段階となる「連合協定」への署名を延期した。今年10月に実施される議会選挙で自由かつ公正な選挙が行われるかどうかをみて、その後の対応を決める予定だ。アシュトン外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、「ウクライナはまず、司法の独立と法治国家の確立を保証する必要がある」と話している。
\モスクワ五輪、ロサンジェルス五輪のような選手による大会ボイコットはない。政治的情勢とは関係のないスポーツ選手を罰する結果になるためだ。これに対して、政治家の観戦ボイコットは「政治的なシグナル」を送る象徴的行為として受け止められている。
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