8月1日にポーランドのワルシャワで開催される米ポップスターのマドンナのコンサートが、同国内で物議をかもしている。この日は、かの「ワルシャワ蜂起」の記念日にあたる。戦死者への敬意と人道的配慮に欠けるというのが理由で、戦争体験者のほか、カトリック系の市民団体がコンサート中止を訴え、抗議運動を起こす騒動にまで発展している。
\1944年8月1日は、ポーランド地下軍(レジスタンス)とワルシャワ市民が結集し、同市を占領するナチスドイツ軍に対して蜂起した日。この蜂起で、レジスタンスと市民約22万人が命を落としたといわれている。ポーランドと連帯関係にあったソ連軍が軍事支援を拒んだことで、蜂起は失敗に終わり、10月2日にポーランド軍はドイツに降伏した。
\カトリック系の市民団体は、マドンナのコンサートのボイコットを市民に訴え、署名運動を開始。10万人の署名が集まった段階で、正式にワルシャワ市長及びコンサートの主催者である米興行会社ライブネーションにコンサート中止の請願書を提出するとしている。
\一方、戦争体験者の団体は16日、コンサート中に2.5分間「ワルシャワ蜂起」の映像を舞台スクリーンに流すことを条件に、ワルシャワ市とコンサート開催で合意した。
\なお、マドンナのコンサートで抗議運動が起こったのは、今回が初めてではない。3年前にも、聖母被昇天祭にあたる8月15日にワルシャワで開催されたコンサートで、敬虔なカトリック市民団体が中止を訴えたことがある。
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