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2010/9/22

ロシア

ロシアとノルウェー、境界画定協定に調印

この記事の要約

ロシアとノルウェーは15日、バレンツ海と北極海の境界画定協定に調印し、40年来の係争に終止符を打った。同時に鉱物資源の開発における協力でも合意し、同海域の経済利用が急速に進みそうだ。調印式はロシア北部の港湾都市ムルマンス […]

ロシアとノルウェーは15日、バレンツ海と北極海の境界画定協定に調印し、40年来の係争に終止符を打った。同時に鉱物資源の開発における協力でも合意し、同海域の経済利用が急速に進みそうだ。調印式はロシア北部の港湾都市ムルマンスクで行われ、ロシアのメドベージェフ大統領とノルウェーのストルテンベルグ首相が参列した。

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ロシア大統領府の発表によると、国境にまたがる埋蔵資源については両国の共同開発が義務付けられる。ノルウェーの技術協力を受けることで、ロシアは自力では難しいプロジェクトも実行できるようになる。

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今回の協定の対象となった海域の面積は約17万5,000平方キロメートルで、日本の約半分の大きさ。周辺に巨大な石油・ガス田が存在し、開発が始まれば膨大な資源生産が見込める。露ガスプロムが主導するバレンツ海のシュトクマン・ガス田の開発プロジェクトにはノルウェーのスタットイルが参加しているが、境界が画定したことで、今後、同様な提携が広まる見通しだ。

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温暖化による氷の消失で北極海の経済利用が注目されている。膨大な天然資源の存在を背景に沿岸国の対立は激しく、今回の協定は部分的解決に過ぎない。カナダや米国を含めた関係国の本格的な和解にはまだ時間がかかりそうだ。

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