中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/9/29

総合・マクロ

銀行の不良債権が増加

この記事の要約

中東欧(CEE)ではリーマンショック以降、金融機関が抱える不良債権が急速に拡大した。オーストリアの大手銀行ライフアイゼン・ツェントラルバンク(RZB)が21日発表した『CEEバンキングセクターリポート 2010』によると […]

中東欧(CEE)ではリーマンショック以降、金融機関が抱える不良債権が急速に拡大した。オーストリアの大手銀行ライフアイゼン・ツェントラルバンク(RZB)が21日発表した『CEEバンキングセクターリポート 2010』によると、09年第1四半期と10年第1四半期の不良債権比率は、スウェーデンのスウェドバンクが7.3%から18.1%に、独フォルクスバンク・インターナショナルは2.8%から20%に、ハンガリーOTPバンクは5.7%から10.4%に、ライフアイゼン・インターナショナルは4.8%から9.8%に、仏ソシエテ・ジェネラルは4.0%から11.0%にそれぞれ上昇した。RZBでは、不良債権の増加ペースは09年第4四半期から10年第1四半期にかけて減速しており、10年第2四半期には減少に転じるものの、今後数四半期は高水準で推移するとの見方を示している。

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中東欧では銀行セクターの総資産が域内総生産に占める割合はユーロ圏の3分の1程度であり、ノンバンクの融資規模はユーロ圏の半分にとどまっている。こうしたことからRZBは、中東欧の金融市場は未発達であり、今後長期に渡って発展する可能性があると指摘する。

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09年の中東欧地域における銀行の融資額は前年比1.8%減の9,622億万ユーロに後退したが、総資産は0.7%増の1兆6,570億ユーロに拡大した。銀行別総資産は、伊ウニクレディトが1,076億ユーロで最も多く、墺エルステ(791億ユーロ)、ライフアイゼン・インターナショナル(752億ユーロ)、仏ソシエテ・ジェネラル(652億ユーロ)、ベルギーKBCグループ(649億ユーロ)が続いた。

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