政府の財政緊縮策で給与が削減される公務員による抗議デモが、中東欧で相次いでいる。チェコでは21日、首都プラハで病院職員、警察官、消防士、税務署職員など約4万人が参加してデモが行われた。ネチャス首相率いる中道右派政権は、財政赤字抑制に向けた緊縮政策の一環として公務員の賃金10%削減を打ち出している。これに対し労組側は、財政赤字補てんの財源は給与のカットではなく増税で賄うべきだと主張。財際赤字を膨らませた政治家の責任を追求するなど徹底抗戦の構えをみせており、病院・福祉施設職員の組合は、政府側が歩み寄りの姿勢を示さないならば、10月15日にもストを行うと予告している。
\22日にはルーマニアの首都ブカレストでも公務員の賃金削減に反対する1万人規模のデモが行われ、警官隊と衝突、催涙ガスで対抗するなど一時騒然となった。金融危機の際に国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)から200億ユーロの緊急融資を受けたルーマニアは、融資の条件として付加価値税の増税、年金受給開始年齢の引き上げ、公務員制度改革の実施を義務付けられている。政府は公務員給与を25%引き下げたほか、1万9,000人の公務員を解雇したが、IMFは公務員の数を13万人減らすことを要求している。
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