ロシア大統領府は22日、メドベージェフ大統領がイランへの対空ミサイルシステム「S-300」の供与を禁止する大統領令に署名したと発表した。国連安全保障理事会での対イラン追加制裁決議を受けた措置で、戦車、兵員輸送装甲車、軍用機、攻撃用ヘリコプター、軍用艦艇についても引き渡しを禁止する。また、核を搭載できる弾道ミサイルに関する技術の供与や、イランの国民や企業がロシア国内でウラン製造に係る活動に投資することも禁じている。
\S-300は地対空ミサイルをベースとする防空システムで、射程距離は150キロメートル。弾道ミサイルおよび航空機を、低高度及び高高度で迎撃する事が出来る高性能システムだ。ロシアは2007年にイランとS-300の供与契約を結んだが、核開発疑惑に絡み国連安保理で6月にイランへの追加制裁決議が採択されたことを受け、引き渡しを凍結していた。メドベージェフ大統領は、今回の大統領令で売却禁止に踏み込むことで、対イラン政策で欧米と同調する姿勢を鮮明にした格好だ。
\