新興国の需要増加などを背景に金属価格が上昇していることを受けて、カザフスタンで金属資源開発が加速している。同国は世界170カ国の金属(貴金属、非鉄金属、鉄鉱石)産出国中、産出量で11位につける有数の金属資源国であり、生産量の9割は輸出されている。
\金属産業はカザフスタンでは石油・ガス産業に次ぐ重要な位置を占めている。昨年の非鉄金属、鉄鋼の生産額は94億ユーロと、2003年と比べ150%増加した。政府がまとめた金属産業の発展戦略によると、今後は圧延製品や機械・建設用金属製品などの高付加価値製品の生産や、レニウム、ガリウム、インジウムなど希少金属の開発に重点を置くと共に、金属資源の開発で外資との提携を強化する方針だ。
\カザフでは現在、多くの金属資源開発プロジェクトが進行しているが、中でも注目されているのは、銅最大手カザフミスによる世界最大級のBoschekul鉱床の開発プロジェクトだ。同社はこの開発事業で中国開発銀行から最大20億米ドルの融資を受けることで合意しており、2014年までに新しい精錬所を開設、年間10万トンの銅精鉱を生産する計画だ。カザフミスはまた、アクトガイ銅鉱山の開発で中国国営の金川集団と合弁会社の設立で合意している。アクトガイで生産された銅精鉱は全て中国に輸出される予定だ。
\カザフスタンの鉄鉱石埋蔵量は世界埋蔵量の6%に当たる166億トンで、うち88億トンは商業生産が可能とされている。鉄鉱石生産の9割を握る鉱業大手ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ(ENRC)は10カ所の鉱山を持ち、年間8,000万トンを生産している。ENRC子会社で国内最大の鉄鉱石生産会社であるSSGPOは、4億4,000万ドルを投資して精錬能力を1,600万トン増強する計画を進めている。
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