工業ガス世界2位の仏エア・リキードは7日、ロシアのニジニ・ノヴゴロド州で空気分離装置を建設すると発表した。総工費は6,000万ユーロ。同国の工業ガス市場は大幅な成長が見込めるため、今後も現地投資を拡大し、競合の米エアープロダクツや独リンデに差をつける方針だ。8日付『モスクワ・タイムズ』紙が報じた。
\エア・リキードはニジニ・ノヴゴロド州の同名の州都から30キロメートル南東にある石油化学工業都市クストヴォに空気分離装置を建設する。2012年に稼働する予定。生産した酸素や窒素、乾燥圧縮空気の半分以上は大口契約先のルスビニル(ガスプロムの石化子会社Siburとベルギーのポリ塩化ビニルメーカーSolvinの合弁会社)に供給し、残りは同州の他の産業顧客に供給する。新規顧客を5~6社獲得した場合は供給用のパイプラインを新設する意向だ。
\同国の工業ガス市場は昨年まで緩やかな成長が続いたが、ロシアの金融サービス会社Rye, Man & Gor Securitiesによると、今年は前年比で15~20%拡大し、今後5年間も急速な成長が続くと見込まれている。
\エア・リキードは過去5年間でロシアに計1億5,000万ユーロを投資した。今年は1年間で1億5,000万ユーロを投じる。来年以降も投資を拡大する予定で、2015年末までの総額は10億ユーロに上るという。
\同社は2007年にロシアの鉄鋼大手セヴェルスタリの製鋼所向けに空気分離装置を建設。今年初にも新たな装置を建設することで合意した。
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