ロシア国営ガス企業ガスプロムが中国と韓国に接する極東沿海地方(州都ウラジオストク)で天然ガスの液化・圧縮プラントの建設を計画している。同地方をアジア向けのガス輸出の拠点とし、中東のガス産出国からシェアを奪うのが狙いだ。同地方のSergei Darkin知事の9日の発言を『モスクワ・タイムズ』紙が11日付で報じた。
\欧州市場で苦戦するガスプロムは成長著しい中国やエネルギー輸入の大半を中東に頼る韓国と日本に活路を見出したい考え。同社の最大の輸出先である欧州がロシアへのエネルギー依存を減らすため、エネルギーの輸入元をカスピ海沿岸諸国や北アフリカに多角化する動きを強めていることが背景にある。
\沿海地方の投資計画に関する資料によると、ガスプロムは7,200億ルーブルを投じ、2015年までに同地方に天然ガス液化プラントを建設する計画。液化天然ガス(LNG)の年産能力は260億立方メートルに上るという。同社は昨年、韓国への圧縮天然ガス(CNG)輸出を検討していると発表しており、CNGプラントが建設される可能性もある。
\ガスプロムが過半数出資するロシア・サハリン沖の資源開発事業「サハリン2」のLNG生産能力は年960万トン。輸出量の6割は日本、残りの4割は韓国と米国に供給される。日本向け輸出は昨年春から始まった。「サハリン2」の天然ガスは日本のLNG輸入の7%、韓国のガス需要の5.6%を占めている。(1RUB=2.72JPY)
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