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2010/7/14

総合・マクロ

ロシア主導のサウス・ストリーム建設計画、ブルガリアが協力維持

この記事の要約

ブルガリアとロシアの両政府は6日、ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設など3つのエネルギープロジェクトを共同で推進することで基本合意した。昨年7月の発足以来、ロシア主導のプロジェクト参加を見直す方針を打ち出してい […]

ブルガリアとロシアの両政府は6日、ガスパイプライン「サウス・ストリーム」の建設など3つのエネルギープロジェクトを共同で推進することで基本合意した。昨年7月の発足以来、ロシア主導のプロジェクト参加を見直す方針を打ち出していたブルガリアのボリソフ政権だが、最終的にロシアとの協力を維持する方向で落ち着いたもようだ。

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ブルガリアのトライコフ経済エネルギー観光相と、ガスプロムのアレクサンドル・メドベージェフ副最高経営責任者(CEO)が16日にブルガリアのヴァルナで会談し、サウス・ストリーム建設の具体計画に調印する予定。従来の目標通り、2015年の稼働を目指してプロジェクトを推進する。

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サウス・ストリームはロシアの国営天然ガス独占企業ガスプロムとイタリア最大の石油会社エニが主導するプロジェクト。ウクライナをう回して黒海経由でロシアと欧州と結び、ブルガリアから先はギリシャや南イタリアに向かう南ルートと、北イタリアに向う北ルートに分かれる。ロシア産ガスの輸送でトラブルを繰り返すウクライナを経由せずに欧州向けの輸出を拡大するのがロシア側の狙いだ。改めてブルガリア政府の協力を取り付けたことで、同プロジェクトは大きな障害の一つを克服することになる。

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ブルガリアとロシアは今回の基本合意で、サウス・ストリーム敷設のほか、ドナウ川沿岸のベレネ原子力発電所の建設、黒海沿岸のブルガスとエーゲ海沿岸のアレクサンドロポリスを結ぶ石油パイプラインの敷設でも協力を確認した。

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