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2010/8/25

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

自動車部品メーカー、セルビア進出を加速

この記事の要約

自動車部品メーカーのセルビア事業が拡大している。政府による手厚い投資優遇措置が魅力となっているもようだ。シートヒーターの独I.G. Bauerhinが新工場の設置を決めたほか、ワイヤーハーネスの韓国・裕羅も新工場の着工が […]

自動車部品メーカーのセルビア事業が拡大している。政府による手厚い投資優遇措置が魅力となっているもようだ。シートヒーターの独I.G. Bauerhinが新工場の設置を決めたほか、ワイヤーハーネスの韓国・裕羅も新工場の着工が目前に迫る。また、同じくワイヤーハーネスの独レオニも7月に新たな生産拠点の建設に着手した。

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I.G. Bauerhinは、同国北西部にあるヴォイヴォディナ自治州インジヤで工場を建設する。今月中旬にセルビア経済省、インジヤ行政当局およびセルビア投資輸出促進庁(SIEPA)との契約に調印し、着工の前提となる手続きが完了した。

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300万ユーロを投じて面積7,500平米の生産棟を建設する。来年に操業を開始し、再来年には750人を雇用する計画だ。雇用創出に対し、政府から総額180万ユーロの助成を受けることが決まっている。年産能力は最大600万個を予定する。

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同社は2007年9月にインジヤで現地生産を開始。今年6月末までにおよそ200万ユーロを投資した。昨年の生産数は150万個。雇用数は当初の60人から260人まで拡大している。

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裕羅はセルビア南部のニシュで工場用地を正式に確保した。16日付の独『ジュートオストオイローパ・アクトゥエル』誌が現地日刊紙『Blic』の報道として伝えたところによると、このほど、ドニェ・メジュロヴォ工業団地の土地使用契約が取り交わされた。裕羅は総額1,500万ユーロを投資する。このうち1,000万ユーロを工場棟の建設、500万ユーロを機械設備の調達に充てる。2万平米に上る床面積のうち、1万4,000平米が工場棟で、オフィスと倉庫がそれぞれ3,000平米を占める。雇用規模は1,500人の予定だ。

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レオニは、昨年4月、支払不能に陥ったブレーキパットメーカーFiazからセルビア南部のプロクプリェ工場を買収した。500万ユーロを投資して、昨年12月に現地生産を開始した。

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レオニは進出にあたり、3年間で1,500万ユーロを投じ、2,000人を雇用することを約束しており、今回の生産強化もその一環とみられる。新たに7,000平米の工場棟を建設する。レオニはセルビア投資に関して、政府から従業員1人あたり5,000ユーロの補助金交付を受ける。

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