中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2010/8/25

CIS諸国

ナブッコ計画が前進へ

この記事の要約

カスピ海周辺国の天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」計画の先行きに明るさが出てきた。6月にトルコがアゼルバイジャン産天然ガスの輸入で合意したことにより、課題となっていた供給源の確保に道筋がついたため […]

カスピ海周辺国の天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」計画の先行きに明るさが出てきた。6月にトルコがアゼルバイジャン産天然ガスの輸入で合意したことにより、課題となっていた供給源の確保に道筋がついたためだ。

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ナブッコは、トルコからオーストリアに至る全長3,300キロの天然ガスパイプライン。輸送能力は年間310億立方メートルで、総工費79億ユーロをかけ2011年に着工、14年の稼働開始を予定している。このプロジェクトを巡っては、天然ガスの供給国であるアゼルバイジャンと経由国のトルコとの間で供給価格や通過料をめぐる交渉が難航し、プロジェクトの遅れが懸念されていたが、6月に交渉が妥結。ナブッコがアゼル産ガスを供給源とする可能性が開けた。

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19日付の独紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』によると、ナブッコ・プロジェクトに参加する独エネルギー大手RWEのグロスマン社長は、天然ガス供給についてアゼルバイジャン、トルクメニスタン、クルディスタン地域で交渉を行っていることを明らかにした。FAZはRWEの商社部門であるRWEサプライ&トレーディングのユディッシュ社長の話として、ナブッコへの供給量はアゼルバイジャンが100億立方メートル、トルクメニスタンが100億立方メートル、クルディスタンが140億立方メートルになると伝えている。

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