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2010/9/15

ハンガリー

欧州委、中銀総裁報酬巡り政府に書簡

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、ハンガリーで中央銀行総裁の報酬が大幅に削減された問題で、中銀の独立性を侵害する恐れがあるとして同措置を見直すよう求める書簡を送った。\ ハンガリーでは7月、国家公務員の報酬上限を平均月 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、ハンガリーで中央銀行総裁の報酬が大幅に削減された問題で、中銀の独立性を侵害する恐れがあるとして同措置を見直すよう求める書簡を送った。

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ハンガリーでは7月、国家公務員の報酬上限を平均月収の10倍に相当する200万フォリントとする法案が可決・成立し、今月1日に施行された。これにより、800万フォリントだった中銀のシモル総裁の報酬は75%減の200万フォリントに減額された。この措置を巡っては、欧州中央銀行(ECB)が中央銀行の独立性を保障したEU条約に違反するとして撤回を求めるなど批判の声が挙がっていた。欧州委員会の経済・金融総局のブティ局長は、ハンガリー政府に宛てた書簡の中で、10月1日までに中銀総裁の報酬制限に関する法律を見直すように求めるとともに、満足な対応が得られない場合にはEU法の違反手続きを開始すると警告した。

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中銀は08年11月から今年4月まで政策金利を6.26%から5.25%に引き下げているが、オルバン政権は、中銀の金利政策や外貨建てローンの制限の遅れが景気回復を妨げたと批判。シモル総裁を含む政策理事会のメンバー全員に辞任を要求するなど、政権と中銀の間の緊張が増している。(1HUF=0.38JPY)

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