クロアチア国営ガス供給会社Plinacroはこのほど、アドリア海北のクルク島に液化天然ガス(LNG)ターミナルを建設する計画を明らかにした。同島で計画されている国際コンソーシアムによる大型LNGターミナルの着工が延期されたことを受け、独自にターミナル建設に踏み切る。
\Plinacroのプロジェクト「LNG RV」は、船上再ガス化装置付LNG船(RV)から直接気化した天然ガスを受け入れるというもので、投資額は5,000万ユーロを見込んでいる。経済省からの認可を待って着工し、2年後の完成を目指す。
\クルク島では、総額10億ユーロをかけて北西部のオミサルジュにLNGターミナルと再ガス化プラントを建設する大規模プロジェクトが計画されている。事業母体のアドリアLNGには墺OMV、仏トタル、独エーオン・ルールガス、スロベニアのジオプリンの欧州石油・ガス大手と、INA(石油)、HEP(電気)及びPlinacroのクロアチア企業3社が出資する。同プロジェクトは当初、11年の着工、14年の稼動開始を目指していたが、6月に世界的な金融危機に伴う欧州のガス需要の減少を受け、着工を13年、稼動開始を17年にそれぞれ延期すると発表した。
\PlinacroはLNG RVプロジェクトについて、アドリアLNGの代替或いは競合を意図するものでなく、アドリアLNGが本格的に稼動するまでのガス供給を確保する一つの手段に過ぎないと説明している。
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