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2010/10/20

ロシア

ロシアがベネズエラで原発建設へ、複数のエネルギー資産取引で合意

この記事の要約

ロシアのメドベージェフ大統領は15日、ベネズエラのチャベス大統領とモスクワで会談し、原子力発電所の建設などで合意した。ロシア原子力公社(ロスアトム)がベネズエラに南米初の原子力発電所を建設する。また、英ブリティッシュ・ペ […]

ロシアのメドベージェフ大統領は15日、ベネズエラのチャベス大統領とモスクワで会談し、原子力発電所の建設などで合意した。ロシア原子力公社(ロスアトム)がベネズエラに南米初の原子力発電所を建設する。また、英ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)のロシア合弁会社TNK-BPはBPがベネズエラとベトナムに保有するエネルギー資産を18億ドルで取得する。さらに、ロシアの石油最大手ロスネフチがベネズエラの国営石油会社Petróleos de Venezuela S.A.(PDVSA)から独製油大手Ruhr Oelの資本50%を16億ドルで取得することが決まった。

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メドベージェフ大統領は原発建設について、チャベス大統領と対立している米国に配慮し、「純粋なビジネス取引だ」と強調。ロスアトムによると、まず試験炉を建設し、その後、出力1,200メガワットの原発を建設するという。総工費は公表されていない。

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TNK-BPはベネズエラで、BPがPDVSAと共同で出資している地元の石油会社ペトロモナガスの株式16.7%、油田を運営しているPetroperijaの株式40%、ボケロンの株式26.7%をそれぞれ取得する。ベトナムではガス田の開発権を2件獲得するほか、ガスパイプラインとターミナル基地、発電所3カ所について、それぞれ株式の約30%を取得する。

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ロスネフチの出資が決まったRuhr Oelは、BPとPDVSAによる折半出資の合弁会社で、ドイツ国内の製油能力の約20%を保持する。ロスネフチはRuhr Oelの株式50%の取得により、欧州での製油能力が同社全体の18%に上昇。西欧の最新製油技術を獲得し、欧州事業を拡大する方針だ。

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ロシアの製油施設は老朽化しており、同国の石油大手は国外の製油会社の買収に乗り出している。ロシア2位のルクオイルはイタリアやオーストリアの製油所を獲得。同5位のガスプロムネフチも製油能力で3,000万トン程度の買収を検討している。

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