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2010/11/3

チェコ・スロバキア

チェコの自動車産業が回復

この記事の要約

チェコの自動車産業は金融危機の影響から脱却し、力強い成長を見せている。10月26日付の独紙『nfa』によると、世界的な景気回復に伴う自動車需要の増加が追い風となり、同国の自動車生産台数は今年、100万台の大台を突破する可 […]

チェコの自動車産業は金融危機の影響から脱却し、力強い成長を見せている。10月26日付の独紙『nfa』によると、世界的な景気回復に伴う自動車需要の増加が追い風となり、同国の自動車生産台数は今年、100万台の大台を突破する可能性が高いという。

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チェコ自動車工業会(SAP)のまとめによると、2010年1-9月期の国内自動車生産台数は80万7,608台と、前年同期から12.9%の2けた成長だった。SAPのアントニン・シペク会長は、今年の業界売上高は約7,000億コルナ(270億ユーロ)と、金融危機がぼっ発する以前の水準を回復すると見ている。

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チェコは労働コストの安さや欧州の中央部に位置するという地理的条件などから、自動車産業にとって依然として魅力のある立地だと言える。伊大手銀行ウニクレディトは、先ごろ発表した報告書の中で、「チェコ、スロバキア、ハンガリーの中欧3カ国は、西欧やアジアの自動車メーカーや部品メーカーにとって最も今後も重要な集積地であり続けるだろう」と指摘している。

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チェコで操業する自動車・部品メーカーの間では、生産を拡大する動きが活発だ。シュコダ自動車は、2011年から親会社のフォルクスワーゲンがスロバキア工場で生産する小型車に搭載する駆動装置の生産を開始。現代自も、11年からノショビツェ工場で3交代制を導入するのに伴い、駆動装置の生産を拡大する。独自動車部品大手グラマーは、従来の乗用車部品に加え、新たに商用車のシート部品の生産をスタートするため、タホフ工場を拡張する。このほか、伊ブレンボはブレーキディスク工場をオストラバに建設する計画だ。

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